
ともいってすっごくいいともいます
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「買って来ましたよ」
「あぁ」
「どうぞ」
「違うやつ入っているかな」
「星型のやつ?」
「ハートじゃないのか」
「さあ。知りませんよ」
「あっ………なんだ普通のばっかりだ」
「残念」
「ちっともそんなこと思ってないだろ」
「はいはい早く喰って」
「急かさないでくれ」
(ひとつめ)
「ちょっとかたいな」
「そうなんですか」
「もうすこし溶けてからの方がおいしい」
「そうなんですか」
(ふたつめ)
「……そんなに見られていると食べづらいんだが」
「ああ……すいません」
「キミも食べる?」
「オレ甘いのはあんまり」
「ひとつくらい」
「じゃあひとつ」
(みっつめ)
(よっつめ)
「あま」
「うーん、このくらい柔らかいのがいいな」
「へぇ」
「………」
「寒くないですか」
「、いや、とくに」
「……」
「……………」
(いつつめ)
「ちょっ」
「……」
「ちょっと、おい、」
「もー待てませんって」
「まだ……あとひとつ残ってる」
「喰って ほら、」
「ん……………んんっ」
( む っ つ め )
「あ、」
(10.これからがはじまり)
_____
アイスの。ろっこ入ってるやつ、あれが食べたい。今すぐ食べたい。
って守さんが言ってた
今日も今日とて、同期で新人のはずの友沢亮と年齢だけなら4つも上のカイザース大エース様が言い争いをしている。内容はどっちが勝利に貢献できたかというお決まりのもので、二人が同時に出場した試合の後はほとんど恒例になっていた。よくもまあ飽きもせず似たようなやり取りを続けられるなあと感心すらする。
オレはそのやりとりを聞き流しつつもなんとはなしに二人を眺めていた。もうじき一軍と二軍の間でふらふらしている先輩(オレはなぜかこの先輩に親近感を抱いている)が来てふたりともすごかったじゃないかもうそのへんにしておけよとかなんとかいいながら適当に言い争いを納めてくれる。いつもの流れだ。だが今日は珍しく、矛先がこちらに向かった。
「なあ、オレの方が活躍したよな?」
「えっ」
友沢に振りかえられて、オレは動揺した。
面食らったのはいきなり話しかけられたのもあるが、友沢のその笑顔にだった。今まで見たこともない満面の笑みだ。
(友沢亮は、こんな風に笑う男であったか)
しばし呆然としていると「どう考えてもボクの方が活躍しただろ」と普段めったに話しかけられないエース様からのお声掛けがあったのでオレはますます動揺し、いやあ二人とも大活躍でしたよというところをいやっいやっふたりとも……いやああの、などとテキストだけ読むと怪しい感じのセリフを言い放ってしまった。怪訝そうな二人の目線にさらされる。言葉に詰まるオレ。
オレでは話にならないと感じたのか、友沢と猪狩さんはお互い顔を見合わせると 勝負だ!勝負だよ! と言いあいながらばたばたとロッカールームを出て、おそらく練習場へ向かっていった。いつもあの二人を諌めてくれる先輩の偉大さを思い知りながら、オレはふうとため息をついてベンチに腰掛ける。なにやら疲れた。
誰もいなくなったロッカールームは静かだった。
なんとなく先ほどの、友沢の笑顔を思い出した。
あんな無邪気に笑うところをオレはおそらく初めて見た。
高校時代の時の、友沢の笑った顔と言えば、口角を僅かにあげたニヒルな笑みや、眉尻を下げて困ったように笑うといったものだったはずだ。笑顔だけではない。怒った顔も、悔しそうな顔も、調子にのったような嫌みな顔も、そういえば最近見るようになったと思う。感情をあらわにすることが増えた。以前の友沢では考えられないことだ。
友沢といえばポーカーフェイス。
クールで、面倒見が良くて、常に他人とは一線を引いて、大人びていて。
友沢はそんな風な奴のはずだったのに。カイザースに入団してからの友沢はまるで子供のようだった。ギリギリでもぐりこめたオレとは違って友沢は即戦力、しばらく一軍と二軍で離れていて、久しぶりに顔を合わせたらなんだか人がかわっていて、おまけに今日の笑顔だ。無邪気で、ひどく幼く見えて、オレは動揺したんだ。
友沢は。友沢亮は。
「友沢、同い年なんだよな……」
あれは幼いのではなくて年相応なのだ、と、オレは思い直した。
両親の庇護のもとぬくぬくと育ってきたオレとは違って、友沢は、高校生だというのにすでに一家の大黒柱だった。失踪した父と入院した母に代わって友沢が弟妹の面倒を見、汗水流して生活費を稼ぎ、経済を回し、料理をし、時には父になり、母になり、オレがこたつでゲームなんかしている間に世の大人たちとたった一人で対等に渡り合ってきたのだ。
相当なプレッシャーではなかったか。笑えという方が無理だった。まだ15かそこらで友沢は、守られるべき子供から一気に親に、大人にならなくてはいけなかった。弟妹を背に、守る側に立たなくてはいけなかった。
「くそ」
ガタンと乱暴にドアを開けて、噂(オレの脳内で)の友沢が戻ってきた。荒れているところをみるとどうやら猪狩さんとの勝負に負けたらしい。
友沢は苛立ちを隠しもせず自分のロッカーに近寄ると、これまた乱暴にカギを開けて着替えを始めた。
「どうだった」
オレの問いに友沢はフンと鼻を鳴らして答えた。ハハハと笑ったら友沢に睨まれた。
「オレ、あの人嫌いだし。胸糞悪い」
「それ昔から言ってるよな」
「昔から嫌いなんだよ」
ムキになるなよ、といったところで満足げな表情の猪狩さんがロッカールームに入ってきた。友沢とは違って猪狩さんは優雅にドアを開き、妖精でも従わせているかのようにふわりと登場した。
オレも友沢も猪狩さんに注目した。半裸の友沢を見て一瞬眉をひそめた後、猪狩さんはオレのほうに視線を向けた。
「キミまだいたのか。二人で何を話してたんだい?」
首をかしげて聞いてくるエース様に向かって、友沢はニヤリと笑った。
「猪狩さんの悪口」
「な、なんだって!」
友沢も対外だがすぐ挑発に乗る猪狩さんもどうかなあと思う。二人はじゃれあいのような攻防戦を繰り広げながらまた言い争いを始めた。飽きもせずよくやるよと思ったけれどこれが二人のコミュニケーションなんだな。
友沢の苦労は学生時代に身にしみて分かってはいたけれど、改めてあの頃の友沢の異常さを認識する。プロになって入院費を払い終え、母が退院し父が戻ってきて、ようやく友沢は年相応の表情が出せるようになったんだろう。特にこの、猪狩さんの前でそれが顕著なのは気のせいではないはずだ。(それが何故かと言うのはプライベートな問題だからあとで追及するとして)、多少ひねくれていても、素直な気持ちをありのままぶつけられる。それは甘えているのと同義ではないのか。
あの友沢が。
微笑ましいではないか。
きっと今ならあの先輩のように二人を上手に宥められる、そう思ったけれどあえて放置して、しばらく二人のやりとりを見ていたい。そんな気分だった。
「まったく、キミはほんっとうに口が減らないな!」
「えー、どっちがです?」
あ、また笑ってる。よかったなあ、友沢。
(そうして「関係ない顔してるけどキミも同罪だからな」と、オレも猪狩さんに怒られるのだった!)
(05.笑顔)
_____
10の友沢が守さんに生き生きとケンカ吹っかけてるのがかわいくてかわいくて
守さんにいっぱい甘えたらいいよ!
とってもでかいです。とっても読みづらいです。すみません
(07.勇気を出して)
所詮友沢くんは勇気を出してもこんなもんじゃないでしょうか^^
わたしの友猪の基本ってへたれ攻めと女王様受けみたいなところがありましてかくかくじかじか…
守さんの方が漢らしいみたいな!でもキメるときはキメるよザワトモくん!
守さんの部屋着がまったく浮かばなくてすっごい微妙ですみませんぐぬぬ
エプロン友沢が描けて超楽しかったですう(^q^)
友猪描くとほんと癒されます~あ~すきすきちょうすきいいいいい
アーハハハ!諸君!残念だったな!
わたしの中で友猪はとっくにこんな感じで同棲しているのだよ!!!
まったくかわいそうな頭だろう!!!!!ドヤっっっ
(その手を見せてくれ 少年)
一年ほど前ならば憧れの選手ですと迷い無く答えていただろうが今は嫌いだった。大嫌いだった。時間がたつごとに嫌いという感情だけが降り積もり天秤はやたらめったら傾いて、そうしていつの間にか大嫌いになってしまった。地区大会では何度かあたったことがあるし、彼の所属するチームの試合があるときは、せがんで応援に行った。彼が投球をしている様は、いい。どきどきする。特に、ランナーが塁に出たときでも、あせらず丁寧なピッチングをするのにはとても好感を持っていた。胸のすくようなストレート、あれがミットに収まるときの音が心地よかった。自分とおなじ、スライダーを投げているのもお揃いのようで嬉しかった。本当に、あこがれていたんだ。
「キミが次の対戦相手?」
初めて話しかけられたときは、頭が真っ白になった。いつもとおくから見ているだけだった彼。それくらい嬉しかったんだ。
「あっ、は、はい、」
「ふうん」
驚いて口ごもる自分に、彼は値踏みするような視線を向けた。目を細めて顎をそらす、明らかに格下のものに向ける視線。見下されている。そう思った瞬間カッと体が熱くなった。それは恥ずかしさにか、いたたまれなさにか、憎しみにか憤りにか、そのときの自分には分からなかった。
「まあせいぜい頑張ってくれよ、どうせ勝つのはボクだし」
「えっ」
「早めに帰り支度をしておいた方がいいかもね!」
彼の高笑い、去ってゆく背中を自分は呆然と見送った。手のひらにたくさん汗をかいた。心の奥底を針金でほじくられているよ うな、じくじくとしたみじめな気分だった。彼への憧憬はゆで卵の殻を剥くがごとくの容易さでひび割れ、中からどろりとした渦のようなものが露呈した。
なんだ、あいつ。
素直にそう思った。
「友沢?」
肩をたたかれて反射的に振り返った。黒いユニフォーム、見知った顔のチームメイトが不安げに見つめてくる。年は確か、ひとつふたつ上だったか、あまり良く覚えていない。
「大丈夫か」
「な、何が」
「今の、猪狩守だろ」
あいつはかっこつけでいつもむかつくことばっかり言ってくるんだ、勝ったらすげー自慢してくるし、負けたら言い訳ばっかりだし、練習にもあんまりこないらしいぜ、おれはあいつ嫌いだよ、でも今年でいなくなるからよかったよな
試合は0-5で負けて、それっきり猪狩守と会うことはなかった。
彼が投球する様は美しかった。格好良かった。あんなピッチャーになりたいと思っていた。彼への羨望は確かにあったはずなのに、だけれども彼を見るだけでどろどろと汚いものを注ぎ込まれているような気分になった。小学校中学年になり高学年になり中学生になってもそれは変わらなくて、むしろ心に注がれた汚いものはがっちりと固まって重く沈んでいき、その存在が当たり前のようになった。野球雑誌で彼の特集が組まれ適当なことを書かれていても、彼に関する根も葉もないようなただの噂話のようなものを聞いても、特に何も思わなかったし反発する気持ちも起きなかった。
そうだよ。あの人は傲慢で自慢ばかりして人の気持ちを考えない嫌な奴だ。
オレはあの人が嫌いだ。
もうずっと長い間。
ずっと、ずっとキライだった。
スポーツ用品店に来ていた。別にウインドウショッピングが趣味というわけじゃないけれど、なにかスポーツの、練習機材だの道具だの、そういうものを見るのが好きだった。強くなるために、上を目指すために考えられて作られたものたち。蛍光灯の光を反射するその無機質な輝きには神聖さすら覚える。
あの時、テレビにはプロゴルファーの大会の様子が映っていた。数多の激戦を潜り抜けてそこに立っているだろう彼ら。彼らもこんな道具を使って、血反吐を吐くほど練習したのだろうか。
彼は。
(積み重ねた努力は、嘘をつかない)
目をつぶって、そう言った彼の声を思い出した。握るてのひら。感じるのは自分の体温だったけれど、あのときの感触を鮮明に思い描ける。自分と同じくらい、いや自分よりもずっと、硬くて、引き攣れて、まるで違う生き物にでも変貌してしまっているんではないかとさえ思わせるあの手。その中でも、異様なまでに爪が綺麗だった。硬質な親指を美しく削られた爪が覆っていて、その指がゆっくりとオレの手のひらをなぞっていく。
かなり野球の練習をしているようだね。
彼はそんなことを言った。
あなたこそ。
あなたこそだ。
オレは、そのとき何もいえなかった。彼のマウンドに立っている姿とか、憎たらしい微笑みだとか、彼の経歴だとか、他人の評価、そういうものじゃない。野球選手として生きている猪狩守を、血の通った猪狩守というものを、あのとき初めて感じた。
野球だ。彼は、野球をしている。ただそれだけの、どうしようもなく強烈なイメージだった。
あの、傲慢な彼も嫌味な彼も確かに彼の一部で、好きか嫌いかを聞かれたら嫌いと答えるしかないけれど。それでも彼のしている野球を知りたいと思った、ひとりの野球選手として、彼と向き合ってみたい。そのときの猪狩守は、自分の目にどう映るのかを知りたかった。そして自分は彼からどんな風に見えるんだろう。
握り締めていた指をそっと解く。リトルの試合で彼と、初めて会ったあの時から、随分強くなったし背も伸びた。目標にはまだまだだったけれと確実な手ごたえを感じる。自分の手が、あの彼のようになったなら。また会えるだろうか。そのときはきっとプロの舞台だ。
目を開く。改めて見た世界はなんだか違うものに思えた。この世界のどこかで、彼と対峙する自分を想像したらうめき声がこぼれた。今すぐにでも走り出したい気分だった。
心の底にたまっていた何かが、少しだけ崩れるのを感じた。
(01.初めて会った日)
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友猪がデレるのはカイザース日本一後だと思ってたんだけど、ゴルフイベントみたら最初から内心デレデレだったんじゃね?って感じになりますね